感覚的音楽理論入門 楽典「実際の音で学ぶ 連符2〜音符と連符・連符と連符の組み合わせ」

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前回はこちらです

連符や音符の組み合わせを、異なる声部で再現するのは簡単ではありません。実際の演奏では、理屈通りには再現されていませんし、コンピュータの譜面のような再現の仕方をする必要はありませんが、方法を知っておく必要があります。感覚だけでは対処できなくなる場面もありますので、この機会に正確な知識を身につけることがよろしいかと思います。

また曲調によって、連符をきっちりと刻むのか?刻まなくて良いのかという判断能力も必要となります。曲調をつかむことは一朝一夕にはいきませんが、引き出しを広げることにより(多くの曲を知ることにより)力がついてきます。

さて、連符と音符・連符と連符の合わせ方の、具体的方法ですが、L’Atelier du Chironでは以下の方法をとっています。

連符と音符&連符と連符の合わせ方
  • 連符と音符の共通の数をみつける。→連符×音符の数
  • この数字を元に拍を意識して書き換える。→伸びている音符をtieと考え、打ち直すとわかりやすいことがある。
  • 組み合わせを確認する。
  • 実際の演奏ではテンポによっても変わってくるので、音楽的に聞こえるよう調整する。
目次

連符と音符の組み合わせ

連符と音符をあわせすい音価に書き直すことにより、両者の関係が明解になります。それには拍を意識することが必要です。

4/4ならば4分音符が1小節に4個 6/8で2拍子にとるならば付点4分音符が1小節に2個、6拍子にとるならば、8分音符×6個 などなど、音符の単位をきっちり意識しましょう。

3連符と8分音符(3:2) 3連符と4分音符(3:4)

譜面の見方

丸つきの数字⑥ ⑫etc…は連符と音符の共通の数です。

〇〇ずつとは、共通の数字を元に割り出した数です。(伸びている音を打ち直しています。)

打ち直した音をtieでつなぎ、元の音符にしています。

3:2  

3連符と8分音符2個分の組み合わせです。

共通の数は63連符を1/2の6連符に書き直す

3連符=6÷3(音符の数)=2 (2個づつ)

8分音符=6÷2(音符の数)=3(3個づつ)

もっと詳しく!!

3連符1個分は=6連符の2個分

8分音符1個分=6連符の3個分

3:4

2分音符の3連符と4分音符4個の組み合わせです。

共通の数は12三連符として書き直す

3連符=12÷3(音符の数)=4(4個づつ)

4分音符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)

もっと詳しく!!

4分音符の3連符+3連符の1音符分=2部音符の三連符1拍分

4連符と4分音符(4:3)

譜面の見方(再掲)

丸つきの数字⑥ ⑫etc…は連符と音符の共通の数です。

〇〇ずつとは、共通の数字を元に割り出した数です。(伸びている音を打ち直しています。)

打ち直した音をtieでつなぎ、元の音符にしています

4分音符の4連符と四分音符3個の組み合わせです。

共通の数字は1216分音符の音価で書き直す。

4連符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)

4分音符=12÷3(音符の数)=4(4個づつ)

付点と3連符 付点と6連符

付点は音符がtieでつながったものと考えましょう。

付点と3連符

付点(16分音符3個+16分音符1個)に対して3連符の組み合わせです。

共通の数字→12 16分音符を32分音符の三連符として書き直す。

付点8分音符(16分音符×3)+16分音符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)

3連符 12÷3(音符の数)=4(4個づつ)

付点と6連符

付点に対して6連符の組み合わせです。

6連符は3連符が2つくっついたものと考えましょう。前に記しました、3:2のやり方と全く同じです。下記リンク先をご覧ください。

https://chiron-shop.astro-music.link/?p=1700#index_id1

連符と連符の組み合わせ

3連符と5連符の組み合わせです。複雑にみえるかもしれませんが、方法は全く同じです。

共通の数字155連符として書き直す。

3連符=15÷3(音符の数)=5(5個づつ)

5連符=15÷5(音符と休符の数)=3(3個づつ)

もっと詳しく

3連符の1音符分=5連符の(16分音符△△△+16分の3連符2個分▲▲)→5個分になります。

組み合わせ方は上記譜面の最終小節をごらんください。

実際の曲では

子犬のワルツ

赤丸で囲んだ小節は4連符ですが、4連符を四分3つにきっちりと入れる感覚ではなく・・続いてきた3拍に1拍が加わる感覚です。

スケルツォ

この楽曲は頭から4連符が連なっています。テンポ表示もPresto しかもcon fuocoです。4分3つに4連符をきっちりとはめこむのではなく、6小節をワンフレーズとして、弾ききる。

どの時代の楽曲であっても作曲者が何を望んでいるか?受け止めて、再現することが大切です。基本的な連符の再現方法を知っているだけでは、通用しないことも多々あります。基本的記譜法と違うのはなぜなのか?考えてみることも大切です。想像力を膨らませて臨みましょう。

Youtube動画

動画を確認しつつ、こちらの記事を主流として勉強していただければ幸いです。

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