連符や音符の組み合わせを、異なる声部で再現するのは簡単ではありません。実際の演奏では、理屈通りには再現されていませんし、コンピュータの譜面のような再現の仕方をする必要はありませんが、方法を知っておく必要があります。感覚だけでは対処できなくなる場面もありますので、この機会に正確な知識を身につけることがよろしいかと思います。
また曲調によって、連符をきっちりと刻むのか?刻まなくて良いのかという判断能力も必要となります。曲調をつかむことは一朝一夕にはいきませんが、引き出しを広げることにより(多くの曲を知ることにより)力がついてきます。
さて、連符と音符・連符と連符の合わせ方の、具体的方法ですが、L’Atelier du Chironでは以下の方法をとっています。
- 連符と音符の共通の数をみつける。→連符×音符の数
- この数字を元に拍を意識して書き換える。→伸びている音符をtieと考え、打ち直すとわかりやすいことがある。
- 組み合わせを確認する。
- 実際の演奏ではテンポによっても変わってくるので、音楽的に聞こえるよう調整する。
連符と音符の組み合わせ
連符と音符をあわせすい音価に書き直すことにより、両者の関係が明解になります。それには拍を意識することが必要です。
4/4ならば4分音符が1小節に4個 6/8で2拍子にとるならば付点4分音符が1小節に2個、6拍子にとるならば、8分音符×6個 などなど、音符の単位をきっちり意識しましょう。
3連符と8分音符(3:2) 3連符と4分音符(3:4)
⑥ ⑫etc…は連符と音符の共通の数です。
丸つきの数字〇〇ずつとは、共通の数字を元に割り出した数です。(伸びている音を打ち直しています。)
打ち直した音をtieでつなぎ、元の音符にしています。
3:2
3連符と8分音符2個分の組み合わせです。
3連符=6÷3(音符の数)=2 (2個づつ)
8分音符=6÷2(音符の数)=3(3個づつ)
もっと詳しく!!
3連符1個分は=6連符の2個分
8分音符1個分=6連符の3個分
3:4
2分音符の3連符と4分音符4個の組み合わせです。
3連符=12÷3(音符の数)=4(4個づつ)
4分音符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)
もっと詳しく!!
4分音符の3連符+3連符の1音符分=2部音符の三連符1拍分
4連符と4分音符(4:3)
⑥ ⑫etc…は連符と音符の共通の数です。
丸つきの数字〇〇ずつとは、共通の数字を元に割り出した数です。(伸びている音を打ち直しています。)
打ち直した音をtieでつなぎ、元の音符にしています
4分音符の4連符と四分音符3個の組み合わせです。
4連符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)
4分音符=12÷3(音符の数)=4(4個づつ)
付点と3連符 付点と6連符
付点は音符がtieでつながったものと考えましょう。
付点と3連符
付点(16分音符3個+16分音符1個)に対して3連符の組み合わせです。
付点8分音符(16分音符×3)+16分音符=12÷4(音符の数)=3(3個づつ)
3連符 12÷3(音符の数)=4(4個づつ)
付点と6連符
付点に対して6連符の組み合わせです。
6連符は3連符が2つくっついたものと考えましょう。前に記しました、3:2のやり方と全く同じです。下記リンク先をご覧ください。
https://chiron-shop.astro-music.link/?p=1700#index_id1
連符と連符の組み合わせ
3連符と5連符の組み合わせです。複雑にみえるかもしれませんが、方法は全く同じです。
3連符=15÷3(音符の数)=5(5個づつ)
5連符=15÷5(音符と休符の数)=3(3個づつ)
もっと詳しく
3連符の1音符分=5連符の(16分音符△△△+16分の3連符2個分▲▲)→5個分になります。
組み合わせ方は上記譜面の最終小節をごらんください。
実際の曲では
子犬のワルツ
赤丸で囲んだ小節は4連符ですが、4連符を四分3つにきっちりと入れる感覚ではなく・・続いてきた3拍に1拍が加わる感覚です。
スケルツォ
この楽曲は頭から4連符が連なっています。テンポ表示もPresto しかもcon fuocoです。4分3つに4連符をきっちりとはめこむのではなく、6小節をワンフレーズとして、弾ききる。
どの時代の楽曲であっても作曲者が何を望んでいるか?受け止めて、再現することが大切です。基本的な連符の再現方法を知っているだけでは、通用しないことも多々あります。基本的記譜法と違うのはなぜなのか?考えてみることも大切です。想像力を膨らませて臨みましょう。
Youtube動画
動画を確認しつつ、こちらの記事を主流として勉強していただければ幸いです。
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