ピアノ調律の考え方

数日前、ピアノの調律をお願いしました。今までとは違う方にと思い、あちこち探しました。

1年ほどかかりましたが、これと思う方をみつけ考え込んだ末、初のお仕事をお願いいたしました。結果は依頼したことが正解だったと思える、素晴らしい出来でした。調律一つで創作に向き合う姿勢も変わることができています。ピアノが弾きやすい、音が良いといったことは、一般の方にとっては些細な出来事かもしれませんが、わたしにとっては心身ともに良き影響が及び、前向きになれています。


わたしのところでは、ヤマハセミコンC7の初期の楽器を使用しております。かなりの年数が経っており、経年劣化している部分もあると思います。今までは「劣化しているから仕方がない」と思い、できる範囲で調律をしていただいておりました。しかし、今回の調律ではできる範囲ではなく、今できる最良の調律をしていただけたと思います。

調律だけではなく、ハンマーの清掃など時間のかかることもやっていただきました。過去にも似たようなことをやっていただいた覚えがありますが、完璧ではなかったようです。

調律後の音について。以前と比べ物にならないほど音の伸びがよくなり、しかも弾きにくかったキーがスムーズになっていました。屋根を閉めていますが、よく響きます。(以前は音がくぐもっていました。)今まではタッチでカバーするための練習に時間がかかり、ストレスを抱えていました。諦めていた部分も多かったです。

楽に弾けるようになっただけではなく、安定感があります。このように感じたのは何十年ぶりかもしれません。時間をかけて綿密にやっていただけて、ありがたいと思うと同時に恐縮しております。

目次

どこまでを調律というのか?

  • 簡単な掃除と調律がセットになっている。(調律料金の中に全て含まれる)
  • 掃除作業は全て有料である。(調律の他に掃除料金が加わる。)
  • ハンマーを外しての掃除など、時間も手間もかかる掃除も調律とセットになっている。
  • 掃除はしない。

上の4つの中で、4を除きどれかがベストというわけではないと思います。おけいこごと、ピアノ教室、演奏家、その他のプロなど、ピアノの使用目的によって音をどこまで極めるかが違ってきます。料金の問題もあります。

調律をお願いするときは、掃除も込みの料金であるのか?掃除は別料金であるのか?お尋ねになる方が良いと思います。びっくりするほど低料金の方もいらっしゃいます。しかしこれが問題で、あとからどんどん仕事を増やし、結局は普通の値段か、それ以上になる場合もあります。

また、値段だけでは決められない部分もありますね。それは調律の先生のご経験と、どのような場所でのお仕事が多いか?が最重要でしょう。

わたしの経験から

学生時代から長くおつきあいさせていただいていた調律の先生もだいぶ前に亡くなられました。存命中後半は、わたしが電子音楽の仕事を多くしていた時期があり、ピアノの調律をお願いすることも少なくなっていきました。しかし環境も変化し、再び元の自分に戻る時がやってきました。

高齢の調律の先生

コロナのころには、男性の60代の先生にお願いしておりました。歩くことが得意で体力もあるとのことでしたが・・事実に反しておりました。

調律、清掃その他「簡単にできる」とおっしゃってそのお話を受け入れておりますと、時間が足りなくなります。「とても一人ではできない。助手が必要だ」などと作業途中で体力が続かなくなり、また別の日にということになります。

年齢のためか?移動距離が長いと疲れがたまり、(都内在住でも1日に調律をまとめてやっているため)仕事に差し支えていたのでしょうね。約束の時間が前倒しになったり、必要のないものを売りつけられたりとめんどうなので、お断りいたしました。

高齢者(60代中盤以降)の調律の先生は避けた方が良いです。特に大型ピアノは体力が必要。最初からお願いしないほうが嫌な思いをいたしません。

女性の先生

人にもよると思いますが・・セミコン以上の大きなピアノは女性には不向きかもしれません。どんなに頑張っても男女には筋力差があり、オリンピックではないですが、男性と同じようにやることは無理ではないでしょうか?

昨年、一昨年と、女性はどうだろうか?と思い、初の女性調律の先生にお願いしてみました。

この先生は器用にこなし、できる範囲で調律し、あまり深入りしないで適当なところで切り上げていく方法をとられておりました。

時間を気にしておられるように感じ、多忙な方ではないかと推測したこと。ご家庭をお持ちで午前中に仕事を片付けたいような??(推測です)雰囲気であったため、「やっぱり仕事は男性のほうがいいかな?」と考え直しました。

わたしは調律時には必ず立ち会いをします。この立ち会いが、神経に触るものでもありました。調律時の音が強すぎ、鋭いものばかり。ずっと同じ強度で鳴らしっぱなしのため、非常に疲れるのです。わたしは神経が強いほうではありませんので、立ち会いをやめて別のところに避難したいと思うほどでした。

ちなみに過去には、立ち会いを苦痛に感じたことはありませんでした。

調律後の音は普通に改善されてはいましたが・・できることなら弾きにくいキーをもう少しなんとかしていただくとよかったですね。しかし、こちらもそこまでは要望を出しておりませんでした。

女性の調律の先生はコンパクトな楽器ならお願いしても良いのではないでしょうか?しかし、セミコン以上の大きな楽器で、場所も狭いとなると、依頼者の望みどおりにならないこともあるでしょう。

調律の先生の探し方

  • 調律専門サイトで探す。
  • ピアノの先生の高評価書き込みを参考にする。
  • ピアニストや音楽関係の方に紹介してもらう。
  • ピティナなどのピアノ専門サイトの調律部門から紹介してもらう。

調律の先生は仕事歴や経歴も大切です。普段どのようなお仕事をされているのか?これによって調律の仕上がりが大きく変わります。

おすすめは、コンサート専門録音やコンクールでの仕事が多い方です。このようなお仕事をされている先生は、ほぼ間違いないといっていいでしょう。

ただし、腕ききの先生はそんなに数が多くないと思いますので、良い先生に当たったら長くおつきあいするのが一番です。わたしも今回お願いした先生には、長くピアノの管理をお任せしたいと思っています。

調律でお困りであれば、今回お願いした先生をご紹介することもできます。下記よりどうぞ。

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